ピルグリム(1)〜(3)
ずっと読みたいと思っていた小説です。今回は、KindleのコンテンツをAlexaアプリを使って読み上げてもらいました。
図書館にリクエストを出すと、音訳といって、いわゆる朗読をしたものを録音し、その音声データを章立てやページに合わせて切り分けて編集したものを制作してもらえます。ただ、3冊もあると出来上がるまでに年単位の時間がかかってしまうし、たくさんリクエストを抱えていれば、すぐに取り掛かってもらえるわけでもありません。
電子書籍になっていれば、多少の同音異義語の読み違いがあっても、イメージを壊さずに読み進められます。また、文字の大きさやフォントを変えたり、背景色(黒地に白文字とか)を変えたりして、カスタマイズすることができます。
Kindleの良いところは、複数の端末で使用できて、読み終わったところから開けること。じっくりと理解を深めたいときは、タブレットで文字を拡大して読み、さらっと楽しみたいときは、スマートスピーカーで聴きながらアイロンをかけられます。電車の中で暇だったら、スマホで聴いてもOK,
さて、ピルグリムですが、3冊、4部構成で読むのが大変と思いきや、映画を見ているみたいに、細かく区切られた場面が展開。2日で読み終えました。著者紹介を読んで、脚本家であることを知り、納得。
ストーリーは、ニューヨークのモーテルの1室で.女性が殺害された現場検証の場面から始まります。CIAの諜報員だった主人公は、退職して一般人として悠々自適に暮らしていたところ、偽名で出版した本をきっかけに、ニューヨーク市警の警部補と知り合います。そして、冒頭の事件の手口が自著の模倣であることに気付き、再び捜査の世界に舞い戻ります。一方、レバノンではサウジアラビアの国家権力により父親を失ったテロリストが、サウジを擁護するアメリカに怒りを募らせ、地球上から撲滅され、人々から忘れ去られている天然痘ウイルスを使ったテロを画策し、着々と準備を進めています。この2人の接点は?そして、テロはくい止められるのか?元ジャーナリストでもある著者の手腕が炸裂します。
ピルグリム〔1〕 名前のない男たち https://www.amazon.co.jp/dp/B00O1VJZG4/ref=cm_sw_r_cp_api_glt_7V7MXT1YFW2DG7VFRCSC
ピルグリム〔2〕 ダーク・ウィンター https://www.amazon.co.jp/dp/B00P0QOUKA/ref=cm_sw_r_cp_api_glt_F1R3ASBB05TH6BQ00S49
ピルグリム〔2〕 ダーク・ウィンター https://www.amazon.co.jp/dp/B00P0QOUKA/ref=cm_sw_r_cp_api_glt_F1R3ASBB05TH6BQ00S49
図書館で電子書籍サービスを使ってみた!
最後に投稿してからあっという間に2年が経ってしまいました。その間もずっとKindleや図書館を利用して、読書を続けてきました。コロナ対策で書籍の電子化が進んだのは、私にとっては棚ぼたでした
最近、地元の図書館で電子書籍サービスを始めたので使ってみました。
「フロー」と表示してあるものなら、iPhoneで読み上げられます。ただ、ストリーミングなので、一定間隔で読みが中断され、無音の時間が30秒ぐらいできます。Wi-Fiで繋いでいてもこんな感じだから、モバイル通信だともう少し長い間になるかもしれません。
それと、この中断は、単語の途中でも起こります。例えば、「東京都」が「ひがし」、「きょうと」になってしまうことも。とにかく、漢字の単語が泣き別れになった場合は、ちょっと自分の頭の中の翻訳機能を働かせるしかありません。
フィックスタイプのものは、タブレットやスマートフォンで、ページを拡大することができます。画面の文字色や背景色を変更できないので、まぶしいのが苦手な人は、読みにくいかもしれません。もしかしたら、パソコン上であればできるかもしれませんが、まだ試していません。
使いやすさは別として、コンテンツのラインナップは.ちょっと魅力に欠けると思います。単に好みの問題かもしれませんが、フロータイプの多くが青空文庫のものだし、フィックスタイプの新しいものでもレシピ集やビジネス書、ネットで読める情報です。
まだ、サービスは始まったばかり。今後の展開を期待しています。
バタフライ
ユスラ・マルディニ、ジョジー・ルブロンド著、土屋京子訳、朝日新聞出版(Kindle版)
本日の読了は、シリア人の少女が戦火を逃れてドイツにたどり着き、難民選手団の一員として五輪に出場するまでの道程を描いた回想録です。厳しい父の指導のもと、競泳のシリア代表の座を勝ち取った矢先、少年の落書きに端を発する内戦が勃発。自宅も砲撃を受け、安全な場所を求めてダマスカス市内を転々とします。それでも、練習や学校、夜遊びもするティーンエイジャーの日常は変わりません。しかし、プールに不発弾が落下。ドイツに行くことを決意します。ディーンの視点から見た逃避行は、希望や楽観に満ちていて、深刻さがあまり感じられず、冒険旅行みたいです。でも、ドイツに着いてから、中東人であること、難民であることを否応なく自覚させられ、難民選手として五輪に出場し、スポークスマンという立場を受け入れるまでの心の葛藤は、社会のあり方とか、マスコミのあり方について、多くの問いを投げかけています。土屋さんのディーンらしい臨場感のある訳文が素晴らしいです。また、地図が見易かった。
難民観が180度変わる一冊でした。
今回は、Alexaの読み上げ機能を利用しました。文章は誤読が少なく、意味を理解する分には問題ありません。地図や写真はfireタブレットであれば拡大ができ細部が確認できました。